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戸建ての査定額が高すぎる?そのからくりとリスク、騙されないための対処法を徹底解説2025.07.15
要注意!戸建ての「高すぎる査定額」に隠されたカラクリとは
まず理解すべきは、なぜ相場からかけ離れた高い査定額が提示されるのか、その理由です。これには、不動産会社の利益を優先した悪質なケースと、物件の価値を正当に評価した結果であるケースの2つが考えられます。
カラクリ①:契約欲しさの「高預かり(たかあずかり)」
高すぎる査定額の最も一般的なカラクリが、不動産業界で「高預かり」と呼ばれる手口です。これは、売主と媒介契約(売却活動を依頼する契約)を結びたいがために、意図的に相場よりも高い査定額を提示して気を引く営業手法です。
売主の多くは、少しでも高く売りたいと願っています。複数の会社に査定を依頼すれば、最も高い金額を提示した会社に魅力を感じるのは自然な心理です。悪質な不動産会社は、この心理を巧みに利用します。
- 高額査定で売主の関心を引く
他社よりも圧倒的に高い金額を提示し、「この会社なら高く売ってくれそうだ」と期待させる。
- 媒介契約の締結を急がせる
「この価格で売れるチャンスは今だけです」「すぐに買い手が見つかります」などと言葉巧みに契約を迫る。
- 契約後に値下げ交渉を開始する
いざ売りに出しても、相場より高いため全く反響がない。すると、「このままでは売れないので、価格を下げましょう」と値下げを提案してくる。
結局、契約さえ取ってしまえば、後は時間をかけて価格を下げていけばよい、という考え方が根底にあります。これが「高預かり」の典型的なシナリオです。
カラクリ②:正当な理由で高額査定になるケースもある
もちろん、すべての高額査定が悪質というわけではありません。以下のように、物件の価値や市場の状況を客観的に評価した結果、正当な理由で相場よりも高い査定額がつくケースもあります。
- 希少性の高い物件である: 角地、南向き、眺望が良い、大規模な庭付きなど、他にはない強い魅力がある。
- 近隣で再開発計画がある: 新駅の開業や大型商業施設の建設予定など、将来的にエリアの価値が上がることが見込まれる。
- 不動産会社の販売戦略と合致する: その不動産会社が、まさにそのエリア・その条件の物件を探している優良顧客(購入希望者)をすでに抱えている。
- 建物の状態が非常に良い: 築年数が浅い、大手ハウスメーカー施工、近年大規模なリフォームを実施済みなど、付加価値が高い。
重要なのは、その査定額が「高預かり」なのか「正当な評価」なのかを、売主自身が見極めることです。その見極め方については後ほど詳しく解説します。
高すぎる査定額を信じるのは危険!戸建て売却に潜む3大リスク
「高預かり」の査定額を鵜呑みにして売却活動を始めてしまうと、単に「売れない」だけでは済まない、深刻なリスクを招くことになります。
リスク①:売れ残り、売却期間が長期化する
最大のリスクは、売却期間が無駄に長引いてしまうことです。相場からかけ離れた価格の物件は、購入希望者の検討リストにすら入りません。内覧の申し込みもほとんどなく、時間だけが過ぎていきます。売却には期限(住み替え先の購入、子どもの進学など)がある場合も多く、計画が大幅に狂ってしまう恐れがあります。
リスク②:繰り返す値下げで「訳あり物件」の印象を与える
売れない期間が続くと、不動産会社から必ず値下げの提案があります。一度値下げしても売れなければ、二度、三度と値下げを繰り返すことになります。
不動産ポータルサイトなどを見ている購入検討者は、物件情報の更新履歴をチェックしています。頻繁に価格が下がっている物件は、「何か問題があるのではないか?」「人気がなくて売れ残っているんだな」というネガティブな印象(=訳あり物件)を与えてしまいます。
こうなると、買い手からの足元を見られ、さらなる価格交渉を要求されるという悪循環に陥ります。
リスク③:最終的な手取り額が相場より低くなる
「高預かり」の末路として最も悲惨なのが、最終的な売却価格が、当初の適正な相場価格よりも低くなってしまうことです。
長期間売れ残った焦りや、ネガティブなイメージがついたことによる厳しい価格交渉により、「もういくらでもいいから早く手放したい」という心理状態に追い込まれます。
結果的に、最初に適正価格で売り出していればスムーズに売れたはずの金額よりも、数十万、場合によっては百万円以上も安く売却せざるを得なくなるケースも少なくありません。高い査定額に夢を見た結果、時間もお金も失うことになるのです。
適正価格を見抜く!不動産査定額をチェックする際の3つのポイント
悪質な「高預かり」に騙されず、査定額の妥当性を自分自身で判断するためには、以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。
ポイント①:査定の根拠が明確で論理的か
最も重要なのが、査定額の根拠です。信頼できる不動産会社は、査定価格を「なんとなく」では提示しません。必ず「査定報告書」や「価格提案書」といった資料を準備し、なぜその金額になったのかを論理的に説明してくれます。
- プラス査定の要因: 駅からの距離、日当たり、周辺環境、建物の状態など、どの点が評価されたのか。
- マイナス査定の要因: 築年数、間取り、接道状況、修繕の必要性など、価格を下げる要因は何か。
- 比較対象: どのような物件と比較して、この価格が算出されたのか。
これらの説明が曖昧だったり、質問に対して明確に答えられなかったりする担当者は、「高預かり」を狙っている可能性が高いと判断できます。
ポイント②:周辺の類似物件の成約事例と比較する
担当者の説明を鵜呑みにせず、自分でも相場を調べてみましょう。国土交通省が運営する「土地総合情報システム」や、不動産流通機構が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」では、実際に取引された不動産の成約価格を誰でも検索できます。
自分の戸建てと似たような条件(エリア、広さ、築年数など)の物件が、実際にいくらで売れているのかを把握することで、提示された査定額が相場から大きく乖離していないかを確認できます。
ポイント③:メリットだけでなくデメリットも説明してくれるか
誠実な担当者は、あなたの戸建ての良い点(メリット)を褒めるだけでなく、売却における弱点(デメリット)や懸念点についても正直に伝えてくれます。
【例】
「日当たりは最高ですが、前面道路が少し狭いので、その点は価格に影響するかもしれません」
「築年数は経っていますが、リフォームすれば十分に競争力はあります。その費用も考慮した売却プランを考えましょう」
このように、マイナス面もきちんと説明し、それに対する対策案まで提示してくれる担当者は、売主の立場に立って考えてくれる、信頼できるパートナーと言えるでしょう。
戸建ての査定額が高すぎると感じた時の具体的な対処法
実際に複数の会社から査定を取り、明らかに高い金額を提示された場合は、冷静に以下の対処法を実践してください。
対処法①:査定の根拠について担当者に深く質問する
感情的にならず、まずは「なぜこの高い金額で売れるとお考えですか?」と、その根拠を徹底的にヒアリングしましょう。以下の質問は特に有効です。
- 「この査定額の具体的な算出根拠を、データや事例で示してください」
- 「この価格で売り出した場合、どのような販売戦略を立てますか?」
- 「もし3ヶ月経っても売れなかった場合、どのような次の手を考えていますか?」
これらの質問に、自信を持って具体的に答えられるかどうかが、担当者の実力と誠実さを見極める試金石となります。
対処法②:他の不動産会社の査定額と比較検討する
1社の査定額だけで判断するのは非常に危険です。必ず3社以上の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定額と根拠を比較検討してください。不動産一括査定サイトを利用すれば、一度の入力で複数の会社に依頼できるため効率的です。
複数の意見を聞くことで、突出して高い(または低い)会社がどこなのかが客観的に分かり、ご自身の戸建ての適正な相場観を養うことができます。
対処法③:「売り出し価格」は自分で決める意識を持つ
大前提として、「査定額」はあくまで「このくらいの価格で売れるでしょう」という不動産会社の予測値であり、「売り出し価格」そのものではありません。最終的にいくらで売り出すかを決めるのは、売主であるあなた自身です。
高い査定額に惑わされず、各社の査定根拠や自分の相場調査の結果を踏まえて、納得できる売り出し価格を主体的に設定する意識が重要です。
高額査定に惑わされない!信頼できる不動産会社の選び方
最終的に戸建て売却が成功するかどうかは、パートナーとなる不動産会社選びにかかっていると言っても過言ではありません。査定額の高さだけで選ぶのではなく、以下のポイントで総合的に判断しましょう。
選び方①:売却したい戸建てのエリアや種別に強いか
不動産会社にはそれぞれ得意分野があります。マンション売却に強い会社、都心部に強い会社、そして特定の地域に根差した「地域密着型」の会社など様々です。あなたの戸建てがあるエリアでの売却実績が豊富か、戸建ての取引を数多く手がけているかを確認しましょう。実績は、その地域の購入希望者情報や販売ノウハウを豊富に持っている証拠です。
選び方②:担当者のレスポンスが早く、誠実な対応か
売却活動は数ヶ月にわたる長丁場です。その間、密に連絡を取り合う担当者の質は非常に重要です。質問への返信が早いか、専門用語を分かりやすく説明してくれるか、こちらの不安に寄り添ってくれるかなど、コミュニケーションの取りやすさや誠実さを見極めましょう。「この人になら任せられる」と心から思えるかどうかが判断基準です。
選び方③:具体的な販売戦略を提示してくれるか
「高く売ります」「すぐに売ります」といった根拠のない言葉ではなく、査定額に基づいて「誰に」「どのように」売っていくのか、具体的な販売戦略を提示してくれる会社を選びましょう。
例えば、「ファミリー層をターゲットに、近隣の学校の評判をアピールした広告を作成します」「物件の魅力を伝えるために、プロのカメラマンによる写真撮影やVR内覧を導入しましょう」といった具体的な提案があるかどうかが、売却力を見極めるポイントです。
高額査定に惑わされないための注意点
高額査定を提示してくる不動産会社との契約を検討する際には、最終チェックとして以下の点にも注意を払いましょう。これらは媒介契約を結ばせるための常套句や手口である可能性があります。
注意点①:「専任媒介契約」を執拗に迫ってくる
「これだけの高額査定が出せるのは当社だけです。他社には任せず、専任でお任せください」といった形で、1社だけに売却活動を任せる「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を強く勧めてくる場合は注意が必要です。
これは、他社と比較される前に自社で契約を囲い込んでしまいたい、という意図の表れかもしれません。契約形態は、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、売主自身が納得して選ぶべきものです。
注意点②:「すぐに買いたいお客様が…」は要注意ワード
「実は、この物件を気に入るであろうお客様がすでにいらっしゃいます」という言葉は、非常に魅力的に聞こえます。
しかし、具体的な顧客情報(予算や希望条件など)を示さずに、ただ期待感だけを煽ってくる場合は「釣り」の可能性があります。本当に有力な顧客がいるのであれば、その顧客情報を具体的に説明できるはずです。安易に信じて契約を急がないようにしましょう。
注意点③:仲介手数料以外の費用を請求されるケース
媒介契約書にサインする前には、費用に関する項目を隅々まで確認しましょう。悪質なケースでは、通常の仲介手数料とは別に、「特別な広告宣伝費」や「コンサルティング料」といった名目で追加費用を請求されることがあります。
原則として、通常の販売活動にかかる広告費は仲介手数料に含まれています。追加費用が発生する条件は何なのか、事前に明確にしておくことがトラブル防止につながります。
高額査定の手口や注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>戸建て売却を成功させる!家査定シミュレーションから相談ポイントまでを解説
まとめ:高額査定の意図を見抜き、賢い戸建て売却を実現しよう
この記事では、戸建て売却における「高すぎる査定額」の裏側と、それに賢く対処する方法について解説しました。最後に、重要なポイントを振り返りましょう。
- 高額査定の裏側: 契約欲しさの「高預かり」という手口が潜んでいる可能性がある。
- 潜むリスク: 安易に信じると、売れ残りによる売却の長期化や、繰り返す値下げで最終的な手取り額が減るリスクがある。
- 重要な対処法: 必ず複数社に査定を依頼し、査定額の「根拠」を徹底的に確認することが不可欠。
- 会社選びの基準: 査定額の高さではなく、担当者の誠実さや会社の「売却力」で信頼できるパートナーを選ぶ。
大切な資産である戸建てを、納得のいく形で売却するためには、売主自身が正しい知識を身につけ、冷静に不動産会社を見極める目を持つことが何よりも重要です。この記事が、あなたの賢い戸建て売却の一助となれば幸いです。
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