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相続不動産の名義変更!司法書士報酬などの費用相場と必要書類2025.02.21

相続登記(相続不動産の名義変更)とは?

不動産の所有者が亡くなると、その不動産を相続する人の名義に登記を変更する必要があります。この相続不動産の名義変更は、一般的には「相続登記」と呼ばれる手続きで、正しくは「相続による所有権移転登記」という名称になります。

相続登記をすることによって、登記簿(登記記録)上の名義を相続人に変更し、「誰が不動産を所有しているのか」を対外的に示すことができるようになります。

仮に相続登記をおこなわないまま放置してしまうと、売却や活用をしようと考えた際に権利関係の証明ができず手続きが進まなかったり、さらに次の世代へ相続が重なってしまったりして、相続人同士の合意形成が非常に困難になってしまう可能性があります。

また、2024年4月からは法改正によって相続登記が義務化され、正当な理由なく登記を怠ると過料の対象となり得るため、早めの名義変更が望まれます。

相続登記(相続不動産の名義変更)の基本的な流れ

相続登記(相続不動産の名義変更)の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 相続人の確定(戸籍の収集・相続関係の確認)
  2. 遺産分割協議書の作成、または遺言書の内容の確認
  3. 必要書類を添付し、法務局へ「相続による所有権移転登記」を申請
  4. 登記完了後、登記識別情報通知(いわゆる“権利証”)の受領

このような流れを経て、はじめて不動産が正式に相続人名義へ移転します。相続登記を完了させることは、その不動産を適切に活用するための第一歩と言えるでしょう。

相続登記(相続不動産の名義変更)にかかる3つの費用

相続登記を行う際に発生する費用には、大きく分けて以下の3つがあります。

① 司法書士報酬

② 必要書類の取得費用

③ 登録免許税

上記3つは、相続登記を行ううえで必須の費用あるいは検討すべき出費です。なお、これらをすべて自力で行うか、一部あるいはすべてを専門家に依頼するかによっても、最終的な費用は変動する可能性があります。

以下では、それぞれの詳細や目安となる費用相場について解説していきます。

相続登記に必要な費用①:司法書士報酬の費用相場

ここからは、相続登記に必要な1つ目の費用として、司法書士報酬の費用相場について解説していきます。

司法書士報酬の費用相場は15~30万円

相続登記の手続きを専門家(司法書士)に依頼する場合、最も大きな支払い項目の一つが「司法書士報酬」です。報酬額は各司法書士事務所が独自に設定しており、一律ではありません。相続登記だけを依頼するのであれば、一般的には15万円~30万円程度の範囲で見積もりされるケースが多いといえます。

この中には、相続登記の申請書作成や戸籍類のチェック、登記完了後の書類返却などの一連の業務が含まれますが、追加費用の有無や見積もり内容は事務所ごとに異なるため、依頼前にしっかりと確認を行いましょう。

なお、相続登記と併せて相続税の申告や預貯金口座の名義変更など、ほかの相続手続きをまとめて依頼する場合は、税理士や弁護士など他士業との連携が必要になることもあります。その場合、さらに報酬が上乗せされる可能性もあるため、早めに見積もりを取っておくと安心です。

不動産や相続人の数で報酬が加算される場合も

司法書士報酬は、以下のような追加要素によって変動します。

  • 相続人の数が多い場合
  • 数次相続が重なっている場合(相続登記が長期放置されていたなど)
  • 対象不動産の個数が多い場合
  • 遺産分割協議書の作成や戸籍収集の代行なども含めて依頼する場合

相続の内容がシンプルであれば報酬相場は低めになりやすいですが、上記のように複雑さが増す場合には、追加で数万円~十数万円が上乗せされる可能性があります。見積もりの際には、登記依頼の範囲を明確にしたうえで、追加報酬の発生条件やその料金体系をしっかりと尋ねておくことが大切です。

相続登記に必要な費用②:必要書類の取得費用

続いて、相続登記に必要な2つ目の費用として、必要書類の取得費用について解説していきます。

必要書類の取得費用は合計で数千円~

相続登記の申請時には、相続関係を証明する戸籍や遺産分割協議書、固定資産評価証明書など、さまざまな書類を法務局へ提出する必要があります。それら書類は市区町村役場・法務局・税務課などの発行窓口で取得するため、それぞれ取得手数料がかかります。

以下は一般的によく用いられる必要書類と、おおよその取得費用目安です。

被相続人に関する戸籍謄本一式(出生から死亡まで)

○戸籍謄本(全部事項証明書):1通 450円

○除籍謄本・改製原戸籍謄本:1通 750円

※転籍が多い場合、取得通数が増えることで費用がかさむ可能性あり

被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)

○1通 200~400円ほど(自治体により異なる)

相続人に関する戸籍謄本(現在のもの)・住民票・印鑑証明書

○戸籍謄本:1通 450円

○住民票:1通 200~300円(自治体により異なる)

○印鑑証明書:1通 200~300円(自治体により異なる)

固定資産税評価証明書・名寄帳など

○1通 200~400円ほど(自治体により異なる)

※固定資産税評価証明書は不動産の評価額を示す資料となり、登録免許税の計算に必要

登記事項証明書(登記簿謄本)

○1通 600円(法務局窓口取得の場合)

戸籍関係の資料は、被相続人が転籍を繰り返していたり、複数回の相続を経て相続人が増えてたりするケースでは通数が多くなり、取得費用も増加する傾向があります。戸籍を郵送請求する際は、別途「定額小為替」の手数料なども加わるため、総額で数千円~1万円前後になることも少なくありません。

相続登記に必要な費用③:登録免許税の費用相場

続いて、相続登記に必要な3つ目の費用として、登録免許税の費用相場について解説していきます。

固定資産税評価額1000万円なら「4万円」

登録免許税は、不動産の名義変更(登記)を行う際に必ず納める必要がある税金です。相続登記の場合、土地や建物の「固定資産税評価額」に対して、基本的には0.4%の税率がかかります。

たとえば、固定資産税評価額が1000万円なら、

  • 1000万円×0.4%=4万円

となります。

所有する不動産の固定資産税評価額の合計額が大きいほど、登録免許税は高くなります。

贈与対象が相続人以外の場合は税率が高くなる

相続登記ではなく、遺贈によって不動産を取得する場合もあり得ます。遺贈とは、被相続人が遺言書によって、特定の人(相続人以外でも可)に財産を無償で与えることをいいますが、このとき、遺言書の指定が「法定相続人以外」に向けられている場合は、相続の税率0.4%ではなく、贈与と同じ2.0%(1000分の20)の税率が適用されるケースがあります。

一例を挙げると、固定資産税評価額1000万円の不動産を、被相続人が「友人」や「遠縁の知人」へ遺贈するという場合、登録免許税は2.0%、つまり20万円となります。

条件を満たすことで登録免許税が非課税になる場合も

相続登記の登録免許税は、本来であれば固定資産税評価額の0.4%が課税されるものですが、一定の要件を満たす場合には非課税になる措置も存在します。たとえば、相続人が相続登記をしないまま死亡してしまったケースや、評価額100万円以下の土地の相続登記をするケースなどが該当です。ただし、適用期限や細かい条件があるため、実際に該当するかどうかは法務局あるいは専門家に確認をとりましょう。

非課税のケースに当てはまれば、0.4%分の支払いが免れることになるため、早めに該当条件や申請手続きの手順を確認しておくことがおすすめです。

まとめ

不動産の相続登記(相続不動産の名義変更)には、大きく「司法書士報酬」「必要書類の取得費用」「登録免許税」という3種類の費用がかかります。これらの費用は「誰が負担するか」が法律で決まっていないため、相続人全員で話し合い、費用をどのように按分するか事前に決めるのが望ましいでしょう。

なお、2024年4月からは相続登記が義務化され、不動産を相続したまま手続きを放置すると過料のリスクも生じます。名義変更を円滑に進めるためにも、必要書類や費用の見通しを早めに立てておくことが大切です。

また、手続きでわからないことがある場合は、相続登記(相続不動産の名義変更)に詳しい不動産会社などの専門家に相談することをおすすめします。

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