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不動産の相続から売却までにかかる5種類の税金と6つの節税方法を解説2025.02.07

不動産の相続~売却でかかる主な税金

不動産を相続し、その後に売却する場合には複数の税金が関わるため、まずは大まかな税区分を理解しておくことが重要です。
相続手続きの際には相続税の納税や名義変更、売却活動を始めるうえでは印紙税や譲渡所得税の計算など、多岐にわたる税の手続きを正確に行う必要があります。以下では、不動産の相続~売却時に押さえておきたい主な税金について整理していきましょう。
相続税
相続税は、「亡くなった方(被相続人)」が残した財産総額から基礎控除や各種控除などを差し引いた金額に課税される税金です。
遺産総額が相続税の基礎控除額以内に収まる場合には相続税は発生しませんが、基礎控除を超える場合は対象となるため、早めの調査と申告が必要です。相続税は、相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内に申告・納付しなくてはいけないと定められています。
相続税のポイント
1. 基礎控除
相続税の課税対象額を計算するうえで、まず「3,000万円+600万円×法定相続人の数」が基礎控除となります。たとえば法定相続人が2人であれば3,000万円+600万円×2=4,200万円までは非課税です。
2. 各種控除の活用
- 配偶者の税額軽減
- 未成年者控除
- 小規模宅地の特例
など、要件を満たせば相続税を大きく減らせる可能性があります。
3. 延納・物納
相続税は現金納付が原則ですが、延納や物納を活用できる場合もあります。期限までの資金工面が難しい場合は、専門家へ相談するなどして早めに対策を取りましょう。
譲渡所得税
相続した不動産を売却し、購入額(取得費)を上回る利益(譲渡所得)が出た場合には、利益に対して所得税と住民税がかかります。これらをまとめて「譲渡所得税」と呼ぶケースもあります。
譲渡所得税の計算方法
- 譲渡所得 = 売却額 - (取得費 + 譲渡費用) - 各種特別控除
●売却額
実際に不動産が売れた際の譲渡価格(手取りではなく「売買契約書に記載された金額」)です。固定資産税の精算金を受け取る場合は、それらも足し合わせます。
●取得費
相続した不動産の場合、被相続人(亡くなった方)が購入した際の金額や諸費用を引き継ぎます。
ただし、購入時の契約書や領収証が見つからず「取得費が不明」の場合、概算取得費(売却額の5%)しか差し引けなくなり、結果的に課税される利益が大きくなることに注意しましょう。
●譲渡費用
不動産を売るために必要となった諸経費が該当します。具体例として、仲介手数料や印紙税、取り壊し費用、測量費などがあります。
●各種特別控除
一定の要件を満たすと、譲渡所得から一定金額を差し引ける仕組みが用意されています。代表的なものとして「3,000万円特別控除」などがあります。
譲渡所得税の税率
譲渡所得の課税対象額に乗じる税率は、不動産の所有期間によって異なります。相続による取得の場合、被相続人がその不動産を購入した日から数えて所有期間を計算するのが基本です。
- 所有期間5年以下(短期譲渡所得)
- 税率:39.63%
(内訳:所得税・復興特別所得税30.63%+住民税9%)
- 所有期間5年超(長期譲渡所得)
- 税率:20.315%
(内訳:所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)
被相続人が長期間所有していた不動産の場合、相続人が相続してすぐ売却しても「長期譲渡所得」が適用されるケースが大半です。税率が半分近くに下がるため、保有期間の計算方法が重要となります。
住民税
譲渡所得に対する住民税は、上記の譲渡所得税の一部として考えられ、短期か長期かで税率が変動します。つまり、売却益が出た場合に課される住民税です。
なお、毎年の固定資産税と都市計画税は、不動産を所有している限り継続的に発生しますが、ここでは「売却時にかかる住民税」に焦点を当てています。
登録免許税
登録免許税は、不動産の名義変更時に法務局に納付する税金です。相続登記を行う際や、売却に伴い抵当権を抹消する際などにかかってきます。
相続登記の登録免許税は、土地や建物の「固定資産税評価額 × 0.4%」が基本ですが、相続人以外(受遺者など)が不動産を取得するケースなどで税率が異なる場合があります。
また、相続登記をしないままでは原則的に不動産の売却ができないため、相続登記が必須である点に注意しましょう。
印紙税
印紙税は、不動産売買契約書に貼付する印紙の形で納付する税金です。不動産の売買金額に応じて税額が段階的に設定されています。
令和6年3月末までの間は軽減税率が適用されており、例えば「売買金額が1,000万円超~5,000万円以下」の場合には印紙税が1万円(軽減税率)です。
一方、令和6年4月1日以降は本則税率が適用される見込みのため、金額帯に応じて印紙税が高くなることには留意が必要です。
消費税
個人が「自宅」や「居住用」の不動産を売却する場合、売却代金に対しては消費税がかかりません。ただし、不動産会社への仲介手数料や、司法書士・税理士への報酬など、サービスを利用した際の費用には消費税がかかります。
また、親が生前に事業用として所有していた不動産を相続した場合など、売却する不動産の区分が「課税事業者の営業用資産」にあたるときは、売買価格にも消費税がかかる場合があります。個人が自宅を相続するような一般的な場面ではほとんど消費税は発生しませんが、事業用の不動産を相続する際は注意が必要です。
相続不動産を売却時に活用できる主な節税方法

相続税の納税や不動産の名義変更に加えて、いざ不動産を売却するときには「譲渡所得税(所得税と住民税)」が生じる可能性があります。売却益が出るほど税金が増える仕組みのため、節税対策がうまくいくかどうかで、手元に残る金額が大きく変わる点を押さえておきましょう。
以下では、相続した不動産の売却時に活用できる主な節税策や、居住用住宅の売却時に多くの方が利用する特別控除について解説します。
①相続財産の売却時に適用される取得費の優遇措置
相続した不動産を売却する際に「相続税の申告で納めた相続税の一部」を、不動産の取得費に加えることができる特例があります。これを「取得費加算の特例」と呼びます。
h4:適用要件
1.相続や遺贈により財産を取得した者であること
2.相続により取得した不動産に相続税が課税されていること
3.相続税の申告期限後3年以内(相続開始から3年10カ月以内)に売却すること
加算される金額は、納めた相続税のうち対象となる不動産の相続税評価額の占める割合で計算されます。この特例を使うと、取得費が増える分だけ課税対象となる譲渡益が小さくなり、譲渡所得税を軽減できる仕組みです。
なお、後述の「相続した空き家の売却時の3,000万円控除」とは併用できない点に注意が必要です。どちらか有利な方を選択することが大切になります。
②居住用住宅の売却に際しての3,000万円の控除
譲渡所得から最高3,000万円を控除できる大変有効な制度が、マイホームを売却したときに使える「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」です。自宅として長年住んでいた家を売却し、売却益が発生するようなケースで活用されます。
適用要件の例
1. 物件が自己の居住用であること(売却時に空き家になっていても、もともと住んでいた家であれば要件を満たす)
2. 売却した年の前年・前々年に同種の特別控除を受けていないこと
3. 親子・夫婦など特別な関係への売却ではないこと
4. 住まなくなった日(転居日)から3年経過年の12月31日までの売却
売却益が3,000万円以下であれば、譲渡所得税がかからないほど強力な制度です。相続後に自分がそこへ住んでいた場合など、「相続→居住」のケースでも使える可能性がありますが、もともと被相続人が住んでいた家を相続した後、相続人は別の場所で暮らしている場合にはこの控除は適用されません。次の⑥「相続した空き家の売却時に適用される3,000万円控除」を検討しましょう。
③所有期間が10年以上の住宅に適用される軽減税率の優遇措置
家を売却した際に譲渡益が出た場合、通常は所有期間が5年超だと20.315%(長期譲渡所得)ですが、所有期間が10年超の場合には軽減税率の特例を受けられるケースがあります。
売却益のうち6,000万円以下の部分については14%(正確には14.21%:所得税10.21%+住民税4%)という低い税率が適用されるため、3,000万円の特別控除と合わせるとさらに大きな節税効果を得られます。
なお、この特例は居住用の家屋および敷地等を売却した場合に限られる点に注意しましょう。
④保有期間が5年以上の際に適用される1,000万円の控除
過去の大きな景気後退を防ぎ不動産流通を活性化する目的で、平成21年・平成22年に取得した土地を一定期間保有(5年以上)して売却する場合には譲渡所得から1,000万円まで控除できる制度が設けられています。
ただし、相続や遺贈、贈与により取得した土地には適用がない場合がある(親子や夫婦、内縁関係者などからの取得は対象外)ため、利用できるケースは限られます。
相続した土地について「実は親が平成21年や平成22年に買った土地だった」という場合に該当し得ますが、適用要件を丁寧に確認することが必要です。
⑤居住用不動産を新たに購入した際の優遇措置
自宅を売却してマイホームを買い換えた場合、「譲渡益を将来に繰り延べる(課税を先延ばしにできる)特例」があります。通称、「買い換え特例」と呼ばれることもあります。
売却額が1億円以下で所有期間や居住期間が10年以上ある住宅など、一定の要件を満たすことで「売却益に対する課税を将来に繰り延べられる」仕組みです。
ただし、譲渡益が非課税になるわけではなく、買い換え後の不動産を将来売却する際にまとめて課税される点に注意が必要です。マイホームの買い替えを計画している際には検討に値しますが、適用要件が厳しめなので、事前に税理士や不動産会社へ相談してみるのがおすすめです。
⑥相続した空き家の売却時に適用される3,000万円の控除
相続や遺贈で得た被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から3,000万円まで控除できます。
一例として以下の要件があります。
- 被相続人が1人で住んでいた家屋を相続した
- その家屋が昭和56年5月31日以前に建築された
- 区分所有建物(マンション等)ではなく、耐震基準を満たすかもしくは解体して更地にして売却
- 相続開始の翌日から3年を経過する年の12月31日までに売却し、売却代金が1億円以下
- 売却先が親族や特別な関係者ではない
この特例は、空き家の老朽化や管理負担を減らすために早期の売却を検討している方の節税手段として有効です。ただし、先述の「取得費加算の特例」との重複適用は不可となります。
相続不動産の売却を専門家に相談するメリット

相続にかかわる不動産売却は、相続税や譲渡所得税の問題に加え、不動産の相場変動や法的手続き、相続人間での協議対応など、多角的な知識が求められます。こうした複雑な問題をひとりで抱えていると、売却するために多くの時間と労力を要することもあるでしょう。
ここでは、不動産会社や税理士・弁護士などの専門家に相談するメリットをお伝えします。
税務の最適化
相続税の納税義務や相続後の不動産売却時にかかる譲渡所得税など、一連の税務は専門家でないとなかなか理解しづらい部分があります。
相続税申告時の小規模宅地特例や、生前贈与をどう活かすか、売却益がでた際の控除制度でどちらを選べばより有利になるかなど、税理士に相談することで最適な税務プランを組んでもらうことが可能です。
正確な不動産評価
相続の場面では「相続税評価」や「時価評価」が必要になり、売却の際には「実勢価格」に基づく査定額が必須です。不動産会社や不動産鑑定士などの専門家に相談すれば、市場実勢や周辺相場、地価動向を踏まえて査定してもらえます。
相続人間での協議にも、市場に即した評価を示すことは大変役立ちますし、実際に売却活動をする際にも誤差の少ない適正な価格設定ができるのは大きなメリットでしょう。
法的手続きのサポート
不動産の相続においては、遺言書の有無や相続人の確定、相続登記、遺産分割協議書の作成など、法的な要素が多々含まれます。相続問題に詳しい弁護士や司法書士を通じて、名義変更に伴う登記申請や書類収集、相続人間の紛争の防止など、スムーズな手続きをサポートしてもらえます。
複雑な相続手続きの支援
相続には「10カ月以内に相続税申告」など期限が定められた手続きが多く、さらに不動産売却や財産分割で相続人同士の意見が食い違う場合など、事態は複雑化しやすいです。専門家に早めに相談しておくことで、「いつまでに何をすべきか」を整理でき、トラブルの芽を早期解消できます。
特に相続不動産をめぐる相談内容は非常に多岐にわたるため、最初の段階から専門家へ頼るのが得策です。
相続不動産を売却時に相談すべき専門家の種類
前章で「専門家に相談するメリット」をご紹介しましたが、ひとくちに「専門家」と言っても様々な分野があります。相続不動産を売却する際には、自分の状況に合わせて誰に何を相談すべきかを整理しましょう。
以下、代表的な専門家をご説明します。
税理士
相続税や不動産売却時の譲渡所得税など、「税金まわりの対策や手続きの代理」をお願いできます。税務署への申告手続き、税務調査対応、相続税評価や各種特例の活用などに長けた税理士であれば、より合法的で最大限の節税を図ることも期待できるでしょう。
また、相続税がかからないケースでも、売却益に対しては譲渡所得税が発生するかもしれません。取得費加算の特例など、使える優遇制度を見逃さないようにするためにも、早い段階で税理士に相談しておくと安心です。
弁護士
相続が絡む不動産売却は、相続人間の話し合い(遺産分割協議)がスムーズに進むかどうかによって成否が左右されます。万が一、相続人の意見が対立して協議が難航したり、法的な紛争に発展しそうな場合など、弁護士に依頼しておくと安心です。
また、借地権や底地権など法的権利関係が込み入っている不動産を相続した場合には、権利調整の交渉などで弁護士の力が重要となるケースも少なくありません。相続に強い弁護士であれば、紛争防止策や交渉代理を含めて対応してくれます。
不動産会社
不動産を売却する場合、もっとも主体的に動いてくれるのが不動産会社です。近隣の相場や買主のニーズを踏まえた販売戦略、広告活動、購入希望者への内覧対応、価格交渉など、売却を成功させるための現場オペレーションを担当してくれます。
特に、相続にともなう不動産売却の実績が豊富な会社を選べば、相続人が多いケースでも上手に意見を取りまとめながら、できるだけ早く適正価格での売却を目指すことができます。不動産の売却には通常数カ月単位の期間を要するため、自分の事情に合った不動産会社と担当者を見つけることがとても重要です。
まとめ

相続した不動産を売却する場合、相続税や譲渡所得税、印紙税など多くの税金が発生します。しかし、それぞれの制度や特例を上手に活用すれば、節税効果は大きく、最終的に手元に残る金額が変わってきます。売却益に対する譲渡所得税は通常の所得税に比べて税率も高いので、早めに専門家へ相談し、最適な特例の組み合わせや売却のタイミングを計画してみてください。
また、不動産を相続したからといって必ずしも相続税が発生するわけではありませんが、売却益には別途譲渡所得税がかかる点に注意しましょう。相続時点だけでなく、売却時にもまとまった現金を用意しなければならない場合もあります。こうした諸事情を踏まえて、多角的な視点で不動産をどう扱うか検討することが大切です。
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